2024年10月12日 17:03 JST
現在の金融市場を大まかに見てみると、米国株が最高値を更新し、社債は不安の兆しを見せず、コモディティーは世界経済を巡る楽観的な見方に支えられて底堅く推移している。
だが、これを掘り下げると、先行きはたちまち見通せなくなってくる。表向きは堅調でも、ボラティリティーがほぼ全ての資産クラスで同様に目立つ。8月と9月に状況が大きく不利に働き、相場急落で不意を突かれたトレーダーらはヘッジに奔走し、プロテクションのコストを相場と同じくらいのペースで押し上げている。
RBCキャピタル・マーケッツのデリバティブ戦略責任者、エイミー・ウー・シルバーマン氏は「可能性が低く、非常に悪いイベントが起こる確率が高くなっている」と分析。「8月のVIX急上昇後、市場は正常化し、最高値を更新したが、根本的な『懸念』は高止まりしたままだ」と語る。
このグラフのタイトルは「クロスアセットのボラティリティは強い上昇にもかかわらず増加している」というものです。つまり、株式、債券、原油などの異なる資産クラスの価格変動(ボラティリティ)が、最近の市場の強い上昇局面にもかかわらず増加していることを示しています。
グラフの構成
- 上段の黒い線(ICE BofA MOVE Index)
- これは債券市場のボラティリティを示す指数です。この指数が上昇するほど、債券市場での価格変動が激しくなっていることを意味します。最近、この指数が上昇しており、特に注目すべき変動が発生していることを示しています。
- 中段の赤い線(Chicago Board Options Exchange)
- これは株式市場のボラティリティを示す指数です(おそらくVIX指数のことです)。この指数も最近上昇しており、株式市場でのボラティリティが高まっていることを示しています。
- 下段の青い線(Cboe Oil ETF VIX Index)
- これは原油市場のボラティリティを表す指数です。こちらも同様に、最近の原油価格変動が激しくなっていることを示しています。
総合的な解説
このグラフは、異なる資産クラスにおけるボラティリティの上昇が一斉に起こっていることを強調しています。株式、債券、原油市場がそれぞれ市場で大きな変動を見せており、特に注目すべきは、いずれの市場も「強い上昇」を記録しているにもかかわらず、ボラティリティが同時に増加している点です。通常、強い上昇局面ではボラティリティが低下する傾向にありますが、今回はその逆の現象が見られ、市場の不安定さが続いていることを示しています。
全体として、このグラフはリスクが高まっている市場環境を示唆しており、今後の価格変動に対して投資家が注意を払う必要があることを示しています。
ここから解説(個人的見解)
米国市況ですが、とても表面上は堅調に推移している様に見えるけれども。というお話。
要はグラフにもある様に、株式、債券、原油市場といった市況はふつうにイイ感じに伸びているにも関わらず、価格変動の波が大きい。という懸念がある。ってことです。
つまりは突然暴落、暴騰する可能性があるよ。っていう事みたいですね。これが何を表しているかというと、みんなが9月の相場急落があったばかりだから結構ビクビクしちゃっているよ。気持ち的にイケイケにはなれていないよ。っていう事だと思います。
投資家心理によって市況が動いている。っていう所なんですかね。こういった記事はとても興味深くてデータによる分析+心理学みたいな所でプロの投資家は稼ぐんでしょうか。そんなことを考えた朝でした。
(出典:Bloomberg)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-12/SL7N2DT0AFB400?srnd=cojp-v2